「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー

 題名は、毎年、東大合格者を多数排出する、東京都の有名私立進学校である、開成高校の野球部に関する、ノンフィクション作品だ。

 二兎追うものは一兎も得ず、という諺があるが、高校の偏差値では、全国でトップクラスであると思われる開成高校の学生達。

 しかし、スポーツ、特に高校野球という、特殊環境になると、その頭の良さが災いし、あまりに考えすぎてしまい、プレーの1つ1つでエラーが発生、試合が成立しないこともしばしば。

 また、野球に命を懸けている、甲子園常連校のように、毎日、必要十分な練習時間を取ることができない開成高校の学生達。

 そこで、少ない練習時間で、効率的に勝つ可能性を上げるために、開成高校の野球部の練習は、攻撃に重きを置く。

 つまり、開成高校の野球は、甲子園常連校の1点を大事に守り勝つ野球ではなく、打撃に重点を置き、大量得点で勝つ野球に振り切っている。

 個人的には、勉強でこれだけ優秀な開成高校の生徒が、何故、野球に関しては、高校野球に求められるレベルの投げる、打つ、守るができず、特殊な戦術を取らざるを得ないのか、その点を考えてしまう。

 推測するに、開成高校の学生達は、頭が良すぎるので、私のレベルで、曖昧に、大体でやってしまう行動が許せないのかも知れない。

 いろいろな事に、理由を求めてしまうのだろうか。

 昨今の高校野球の予選を見ていると、開成高校、灘高校、といった、超のつく進学校の予選結果が、ネットニュースで表示される。

 高校野球のあり方が変わりつつある昨今、いろんなチームがあってもいいのだな、と一人勝手に納得している。

 高校野球の一側面を垣間見たい方がいたら、一度、手にとってみても、良い作品だと思う。

 

 

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