題名は、村田 沙耶香氏の芥川賞受賞作品だ。
私は当時、村田氏の事はよく存じ上げておらず、芥川賞受賞後のマスコミの報道で、かなり変わった作品だという情報を聞きつけ、小説を手にとって見た。
読んでみて、一言、この物語はおかしい、と断見できた。
あらすじとしては、学校を卒業した主人公が、就職する訳でもなく、結婚する訳でもなく、1コンビニの店員として、アルバイトをして、生計を立ている。
しかし、その主人公は、自分に主たる性格や特性がなく、日常生活でどう振る舞えばいいのか分からず、コンビニの店員をしながら、お客を人間観察し、人間とはこう振る舞うべき、と言う事を学んでいく。
たまに親族や同級生と合う時でも、その振る舞いに戸惑ってしまい、コミュニケーションが上手く行かない事が多い。
ただ、本人はその事に困っている訳ではなく、上手く行かない事で、相手が気分を害するのが、居た堪れないだけなのだ。
一読して、村田氏の経歴を調べたが、同業者からのあだ名は、クレイジーさやか らしい。
人と違う見方ができる人間が紡ぎ出す、通常と異常の境界線のような世界観、読んでいて、非常に面白かった。
コンビニ人間の話を思い出していて、最近、スマホのアプリで読んでいる「阿武ノーマル」と言う漫画を思い出した。(元々、雑誌に掲載されていた作品なら、認識がなく、ごめんなさい。)
主人公の阿武が、自身の異常性を認識せず、普通に社会人として生活するためはどうすればいいのか、試行錯誤する話だが、コンビニ人間の主人公とリンクする内容が多い。
リンクを2つ記載するので、気になった方は、どちらか、手にとって見てはいかかだろうか。
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