まとまった時間が取れなかったため、久々に更新を行う。
題名は、直近の芥川賞を受賞した、朝比奈 秋氏の小説となる。
偶々、手に取る機会があったので、購入し、読み進める。
朝比奈氏の文体が、私には合っているのか、特別違和感なく、先へ先へと読み進める。
仕事が忙しいため、一気に読むことはできなかったが、それでも、通常より速いペースで、読了した。
読了後の感想としては、映画「マルコビッチの穴」を思い出したことだ。
「マルコビッチの穴」は、設定が特異であるが、中身は純愛映画だ。
サンショウウオの四十九日も、設定が特異ではあるが、人間の内面、特に、死を考えた時の思考を展開する点で、非常に読み応えがあった。
朝比奈氏のインタビューを少し読んだが、元々は常勤の勤務医で働いていたが、ある日突然、仕事中に物語が頭の中で展開するようになり、その物語の発生確率と頻度が不安定で、最終的には診察中に発生する恐怖を感じたため、常勤の勤務医を辞め、小説家になった、という経歴のようだ。
本人は、小説家になりたい、芥川賞を取りたい、という動機で小説を書いている訳ではなく、生まれてくる物語を原稿用紙にアウトプットし、現実との均衡を保っているようだ。
これまで、好きな作家さんのインタビュー記事を読んだことがあるが、朝比奈氏のような動機はあまり聞いたことがなく、かなり特異な作家のように私には感じられた。
ただ、今回の小説を読んで、朝比奈氏の小説を、遡って読んでみたい、という気分にはさせられた。
決して多くはない小遣いを叩いて、少しずつ、コレクションしていきたいと考えている。
物の試しに、「東京同情塔」を読んでみたが、この作品は、私には合わなかった。
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