題名は、花村萬月氏の連作 王国記の第2弾にあたる小説だ。
以下、花村萬月氏を萬月さんと呼ぶ。
「ゲルマニュウムの夜」ですっかり萬月さんのファンになった私は、当然のようにブエナ・ビスタも発売とほぼ同時に購入した。
最初の話で、主人公の教師をしていた男性の修道士が風俗に通い、風俗嬢とアナルとアヌスの違いについて語る場面があった。
当時、性に関して疎かった私は、小説を読んで、ドキッとしたのを憶えている。
また、修道士が通っていた風俗店が、偶々、私の通っていた大学の近くだったので、小説の場面を生々しく想像できたことを憶えている。
萬月さんの小説は、御本人はフィクションと言っているが、登場人物も場面も、本当に生々しい。
そのリアリティが、萬月さんの小説を形造っているのだと、個人的に感じる。
王国記は、全部で9作ある。まずは、「ゲルマニュウムの夜」と本作を読んで、気になる方は、続きを読まれるのがいいだろう。
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