ラグビー選手とサッカー選手の体格について、考察してみる。
一般にラグビー選手は、体が大きい。特に、FWの選手に至っては、100kgを超える選手が多い。
100kg超えの選手が複数人群れを作りぶつかりあう、スクラムは、外から見ていて、重量感があり、壮観である。
また、ハーフ陣、バックス陣になると、さすがに100kg超え、とはならないが、それぞれ、筋肉隆々で、非常に逞しい印象を受ける。
左記と比較して、サッカー選手は、身長はラグビー選手と大差ないが、もっとスマートな印象を受ける。
「半端ないって」というフレーズで人気になった、ドイツ ブンデスリーガで活躍し、Jリーグに復帰した、FWの大迫選手でも、181cm、72kg というサイズだったと記憶している。
72kgの体重で、欧州の屈強なDFと対峙し続けたのだから、体格だけでなない、何かしらの術的なモノがあるのかも知れないが、個人的にはスリム体型のように感じる。
ラグビーとサッカー、実はルーツはサッカーが先で、ラグビーはサッカーから派生したスポーツらしいのだが、その兄弟のようなスポーツの競技者の体格が、現代に至って、何故、これほどまでに異なってしまったのだろうか。
両者のスポーツの類似点としては、どちらのスポーツにも、ドリブル、が存在することが挙げられる。
サッカーのテクニックに秀でたドリブルは、ある種、芸術的だが、ラグビーにおいても、極稀に、楕円形のボールを前に蹴って進むことを、ドリブルと言う。
サッカー程の派手さはないが、ラグビーのドリブルには、重量感がある。
また、両者のスポーツにオフサイドルールが適応されることも、両者のスポーツが類似していることの1つとして挙げられる。
サッカーの場合、オフサイド以外のルールは、基本、人がやっていけないこと(引っ張る、進路を塞ぐ)が反則なので、オフサイドさえ理解すれば、初心者の方でも、すぐにサッカー観戦ができるようになる。
オフサイドに関しては色々な書籍が出ており、興味があればそちらを確認して欲しいのだが、基本的に、敵陣内で待ち伏せて点数を取ることを防ぐルールである。
ラグビーの場合、人が密集している場合でも、一度、自陣に戻ってから相手にアタックすることが義務付けられており、自陣に戻らずにそのままボールにアタックすると、オフサイドの反則を取られる。
私が推測するに、ラグビーの方がサッカーに比べて、コンタクトする機会が多い事に起因するような気がする。
サッカーは、もちろん、コンタクトスポーツで、原則、手は使ってはいけないが、1対1の競り合いで腕を巧みに利用してその場を制しようとする場面を何度も見かける。
しかし、サッカーで、手を使って相手を引っ張る、侵入を妨害する行為は、基本、反則となる。
一方、ラグビーの場合は、エンドライン際の迫力ある攻防でも分かる通り、手、というか、全身を使って攻防を行う。
全身を使える場合、やはり筋肉がないよりは、あった方がいい。
全身の筋力を満遍なく使うことを考慮した結果、ラグビー選手の体格が大きくなったのではないか、と私は推測する。
また、これは私の拙い経験談だが、サッカー選手は長い距離を何度も走る。高校でサイドバックのポジションを与えられた私は、とにかくチームに貢献しようと、DFなのに前線への攻撃参加を繰り返し、試合後半バテていた。
私の情けない話は別として、プロのサッカー選手になると、90分間の試合で走行距離が10kmを超える選手も1人、2人ではないらしい。
これは最近知った話だが、長距離を走りすぎると、むしろ、筋肉の成分が分解されて落ちていくらしい。
ラグビー選手ももちろん、試合中、バテずに走り続けることが必須条件だが、特にFWの選手の場合、短い30mの距離を何度もダッシュして攻守に貢献するのが常で、長距離をジョギング程度で走る機会は、試合中にはあまり無いのではないか、と推察する。
そう考えると、サッカー選手にラグビー選手のような、筋肉隆々の選手が少ない理由が、見えてくる気がした。
ラグビー好きのサッカー解説者である、宮澤ミシェル氏が、サッカー選手でラグビーのFWのような体格は無理、でも、CB(センターバック)ならば、ラグビーのバックス陣の体格を目指すのはアリ、と言っていたのを思い出しだ。
私の拙い経験談から話すと、CBは、相手FWと対峙する機会が多く、空中でのヘディングでの競り合いも多いため、体格ががっしりしていた方が、利点はある。 世界の名だたるCBで、筋肉隆々系のCBは、あまりお目にかかる事は無いが、1つの個性として、筋肉隆々なCBが日本にいても面白いかもしれない。
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