題名は、プロゲーマーのウメハラ氏の、仕事に取り組むにあたっての心構えを書いた新書となる。
ウメハラ氏は、プロゲーマーなので、当然、仕事とは、ゲームを指す。
特に、ウメハラ氏は、格闘ゲームの分野の第一人者のようだ。
私個人としては、反射神経系が鈍いらしく、格闘ゲームは、大の苦手としている。
ゲームは、専ら、RPGしかやらない。
しかも、スマホでできる、無課金ゲームだけだ。
自分と対極にある人種は、どのような事を考えてゲームに取り組んでいるのか、興味が湧いたので本書を手に取ったのだが、読んでみて、参考になることがたくさんあった。
特に、参考になったのは、技を分解する、という概念である。
格闘ゲームでコマンドを出す場合、短い時間で特定の操作を行わなければならない。
ウメハラ氏は、その精度を上げるために、操作を分解し、分解した操作を何度も繰り返す事で、コマンドを出す精度を向上させた、との事だった。
この事柄は、一般の仕事にも当てはまる事で、高度なプロジェクトを完遂するにあたって、重要な事は、実は、専門性の高い高度な技術の応酬ではなく、誰でもできることを、着実に、ミスなく、積み上げる事だったりする。
一芸に秀でた人間の行き着く先は、意外にも、別の経験を積んだ人間の行き着く道と、同じ所に至る、という事を痛切に感じた。
気になった方は、一度、手に取ってみる事をお勧めする。
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