題名は、直木賞作家の天童 荒太氏の小説である。
発売当初、かなり話題になった作品で、後にドラマ化もされた。
私も、話題になった時に本を手に取り、一読したが、非常に心に刺さる作品であった。
特に、登場人物が、幼少期に心に負った傷を、消化できないまま成人し、どこかいびつな人格のまま、社会で生活していく様が、とても痛々しかった。
成人して生活するようになるまで、心に傷を負わない人間はいないとは思うが、この小説の描写は、あまりにも生々しかった。
天童氏は、小説を作成する際、入念にプロットを作成した後に執筆活動に取り掛かるそうだ。
その緻密さが、小説から溢れ出していて、架空の物語なのに、しっかりとした現実の質量を持っているように、私には感じられた。
本作品は、色々なタイプで出版されている。
まだ未読の方は、一度、手にとってみることをおすすめする。
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