題名は、落合陽一氏と、学生時代の指導教官であった、暦本氏との対談集である。
個人的には、以前から著書を拝読していた、落合氏の比較的新しい書籍として、手に取って読んでみた。
読んでみて、納得いく事が多すぎて、困るくらいだった。
一番衝撃的なエピソードとしては、お2人の数学教育に関する提言の所で、仮想現実(VR)やVtuberに興味のある学生が、線形代数の行列式で躓いてしまう、という話だった。
確かに、行列式は慣れないと難しい。
しかし、自分がやりたい事であれば、多少躓いても、努力と熱量で、克服して欲しいと、私は感じた。
そういう私は、高校時代、勉強全般が苦手で、数学で8点を取った事がある。
しかし、入学した大学の教育方針が良かったのか、自分がそれなりに努力したのか、その辺は不明だが、大学数学の基礎分野では、大きく躓く事はなかった。
大学の研究でも行列式を使う事が多かったので、いつの間にか、行列式での計算が、自然とできるようになっていた。
大学4年の時、興味本位で大学入試の赤本を立ち読みし、旧帝大クラスの数学の過去問について、解くための方針を立ててみたが、回答と全く同じであった。
つまり、大学入試を突破する力があれば、工学系の数学の基礎分野は、やり方によっては、マスターが可能という事だ。(純粋に数学を研究する場合は、左記は対象外である。)
大学に入ってからは、大部分が自分の意思決定で決まるため、手取り足取り、教えてくれる事は少なくなる。
偏差値という明確な基準も無くなるため、自分が何を学びたいのか、よくよく考えて、行動する必要がある。
よくよく考えての結果が、VR関連の研究であれば、3次元を表示する線形代数のお化けに対しても、怯む事無く、立ち向かっていけるだろう。
他にも、三角関数の必要性とか、いろいろ面白い事が書かれている。
日本の頭脳の一旦を垣間見たい方は、手にとってみては、如何だろうか。
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