題名は、森見 登美彦氏の山本周五郎賞受賞作品だ。
以降、森見 登美彦氏を、森見さん、と呼ぶ。
森見さんの作品は、とにかく独特だ。
特に初期の作品では、若い男性の一人語りが多く、知り合いに面白いから、と勧めたのだが、
「森見さんは大丈夫ですか?」
と私の所に問い合わせが来た。
そんな独特な作風の森見さんの小説の中で、個人的に一番バカバカしくて好きなのは、題名の作品だ。
まず、主人公が、京都の神社に住み着く狸だ。
次に狸に変化の妖術を教えているのが、天狗だ。
もうこの時点で収集がついていない。
狸には家族があり、家族の柵もありながら、人間社会と同居し、生活している。
ただ、森見さんの作品で、狸の家族の温かい物語を静かに見守る作品であるはずがなく、ここから奇想天外な展開が待っている。
森見さんの作品は、設定が複雑で、よく考えながら読まないといけない作品もあるが、この作品に関しては、皆無だ。
提示された物語を、そのまま読み進めるだけで、楽しい気持ちになれる。
また、本作品は、アニメ化もされているらしい。
以前、マツコの知らない世界、というテレビ番組で、アニメの聖地巡礼をしている方の特集があったが、その中の1人の方が、この作品を紹介されていた。
その方によると、作中に出でくる、偽電気ブランが、実際のバーで提供されているらしい。
マツコさんは、この作品をご存知では無かったらしく、
「電気ブランの偽物が偽電気ブランとして作中に出できて、それを現実の世界で提供しているのね、ややこしい」
と説明を受けた後、概要を理解されていた。
私も、一度、偽電気ブランと電気ブランを飲んでみたいと思っているので、どこかの機会で、京都や東京のバーを訪問したいと考えている。
コメント