題名は、今をときめくサッカー日本代表の三笘薫選手が、自身の半生を振り返った書籍である。
今更、私が語る必要はないが、知らない方のために記載すると、三笘選手は、現在、イングランドのプレミアリーグ ブライトンに所属する、攻撃の選手だ。
左サイドを主戦場とし、その類まれなるドリブルを武器に、敵陣を縦横無尽に切り崩す。
三笘選手は、ドリブルが主な武器のように思われているが、実は、パスセンスもあり、その場の状況に応じて、ドリブルとパスを巧みに使い分ける。
端的に言うと、手のつけられない選手である。
日本代表では、主に3-5-2のウイングバックのポジションで活躍し、得意の攻撃だけではなく、守備面でもその能力を如何なく発揮している。
本書によると、三笘選手は、常に目標から逆算しながら、今やるべきことを落とし込んでいたようだ。
その最たる例が、所属していた川崎様フロンターレのユース時代、トップチームへの昇格を打診されていたにも関わらず、筑波大学への進学を決めたことだ。
トップチーム昇格を告げられても、三笘選手としては、まだ自分の体ができておらず、このままプロとしてピッチに立つよりは、肉体面、技術面を大学4年間で更に向上させ、プロでも十分活躍できる確信を持ってから、プロ入りする道を選択したようだ。
この選択は成功し、大学4年間で、強靭なフィジカルとドリブルスキルに磨きをかけた三笘選手は、大学卒業後、川崎フロンターレに大卒ルーキとして入団、主に途中出場での起用であったが、プロの世界でもそのドリブルで猛威を振るい、その年の新人賞を獲得している。
上記の逆算の例は、大学進学だけではなく、三笘選手が直面する、場面場面で常に行われているようだ。
元ラグビー日本代表の福岡堅樹選手も、逆算する思考を持っていたが、近年のトップアスリートには、この逆算思考が、必要な要素なのかも知れない。
トップアスリートの思考に触れてみたい方は、一度、手にとってみることをお勧めする。
また、個人的には、三笘選手のドリブルは、ブラジル代表のネイマール選手のドリブルに酷似しているように思われる。
これは体軸を使ったドリブルだと思われるのだが、その件に関しては、また別の機会に。
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